ささくれ、気になりますね
本格的に寒い季節の訪れを感じ始めてまいりました。寒くなってくると皮膚科的には、乾燥肌やそれに伴う湿疹、手荒れ、低温やけど、しもやけなど冬ならではの症状のかたが増えてきます。
ほんの小さく、ささいな皮膚の症状にもかかわらず、こじらせるととんでもなく厄介なものになりかねない『ささくれ』についてお話ししたいと思います。
ささくれは、部分的に爪まわりの皮膚が剥けている状態で、どなたにも経験があるものです。手に限らず足指になることもあります。
原因は乾燥です。乾燥により外的刺激に弱くなり、ちょっとしたことで剥けやすい状態になっています。また、たんぱく質やビタミン・ミネラル不足も関係しているようです。さらにお子さまは爪を噛むクセがあると乾燥を招きやすいので注意が必要です。
ほんの少し剥けているくらいでも気になりだすと放っておけない、なんとかしたい、ついついさわっちゃう、気になる、ずっとさわっちゃう、そして、自分でむしっちゃおう!というかた、たくさんいらっしゃることでしょう。
いけません。その部分が傷になります。バイ菌がつきます。腫れて痛いです。膿んでしまいます。膿がたまってしまいます。こうなると切開して膿を出す処置であったり、抗生物質の内服や外用薬が必要になりますので受診をおすすめします。
また、ささくれを剥いたその傷にイボのウィルスがつくとイボができてしまう恐れもあります。ささくれ部分が多数あるとそれぞれがイボになってしまうかもしれません。
自ら傷をつくり外界の菌やウィルスを容易に受け入れる状態にしていること、おわかりいただけましたでしょうか?
乾燥させないようこまめに保湿していただき、ささくれを予防していきましょう。
2019年11月22日10:40 AM