単純ヘルペスウィルス感染症
皮膚や口、口唇、性器などに痛みを伴なう小さな水ぶくれが繰り返し起こる病気です。ヘルペスウィルスはたいへん感染力が強く、水ぶくれなどの症状が出ている時期は大量にウィルスを排出しています。
~感染経路~
口唇ヘルペス(単純ヘルペスウィルス1型)・・・家族間が多く接触感染や、タオル・食器など物を介した感染。口唇や顔面にできる。
性器ヘルペス(単純ヘルペスウィルス1または2型)・・・主に性行為、便座などの物を介することもあり。
感染しやすいのは症状が出ているあいだだけですが、皮膚表面に症状がなくても、ウィルスが唾液などの体液に出てきていることもあり、その場合、自覚症状がなくても感染する可能性はあります。
ヘルペスウイルスは、小さな傷口や粘膜組織から侵入します。皮膚が健康に見える場合でも注意が必要で、傷や湿疹、アトピー性皮膚炎などにより皮膚のバリア機能が低下していたり抵抗力が落ちていたりすると、感染リスクが高くなると考えられます。
皮膚から侵入したウィルスは神経に潜伏します。感染後すぐに発症する、感染しても自覚症状がない、何年も経ってから初めて症状が出る、再発をくり返す、症状がまったく出ない場合など様々です。ただし、いったん侵入したウィルスを排除する治療はなく体内に潜み続けます。
~症状~
患部にびりびりとした違和感が生じます。これは内部でウイルスが増殖しているしるしで半日以内に赤く腫れ、痛みをともなうこともあります。発症して2、3日後には、水ぶくれがいくつかでき、痛がゆくなり、最後はかさぶたになっていきます。1~2週間ほどで治ります。ヘルペスウィルス感染の最初のときには発熱や体のだるさが起こることもあります。
~治療~
病院では、抗ヘルペスウィルス薬というウィルスの増殖を抑える飲み薬か塗り薬が症状にあわせて処方されます。症状の出始めに治療を開始できれば軽症ですみます。
~再発予防~
疲労、ストレス、風邪、生理、強い直射日光を浴びることなどでヘルペスウィルスは活発になります。無理をしない生活を送ることが理想です。また、他人にうつさないようにと心がける気持ちが大切です。
2021年3月25日2:49 PM