カビによる皮膚トラブル

湿気の多い暑い夏は、カビによる皮膚の病気が多くみられます。

◇白癬(いわゆる水虫)
白癬菌が皮膚の主に角質層に寄生して起こります。寄生した部分によって、足白癬(一般的な水虫)、爪白癬、手白癬、体部白癬、頭部白癬、股部白癬など名称が変わります。
手や足では、指の間に赤みや小さい水疱がぷつぷつあらわれたり、ふやけたり、はげしくむけて傷のようにジクジクしたりします。かゆみがないことも多いです。爪は厚みが出て白く濁ってもろくなってきます。体幹や四肢では特徴的なカサカサした輪っか状の紅斑が起こることがあります。

白癬菌は、素足で歩いたりスリッパを共用するような場所で感染が起こりやすくなります。じめじめしたところを好み強く生きる菌ですが、乾燥した場所や、ひとから剥がれ落ちた皮膚でもある程度生存できるといわれています。
水虫持ちの家族がいるご家庭、公衆浴場、プール、宿泊施設、飲食店の座敷、医療機関、職員寮、体育館、更衣室など、素足や靴下で不特定多数のひとが出入りする場所では白癬菌が存在すると考えたほうがよさそうです。

◇カンジダ症
ひとのからだにもともと常在するカンジダ菌が過剰に増えることで起こります。

・カンジダ性間擦疹(皮膚同士がこすれ合う部分に起こるかゆみや痛みを伴なう紅斑)
・指間カンジダ症(指間の赤みが拡大しびらん形成、水仕事従事者に多い)
・カンジダ性爪囲炎(爪周囲に発赤腫脹、水仕事従事者に多い)
・爪カンジダ症(爪の変形や肥厚など爪白癬と症状が似ている)
・口腔カンジダ症(口腔内や舌に白苔や炎症性の赤み、灼熱感や痛み)
・性器カンジダ症(膣や外陰部に発赤や白苔、亀頭や包皮に発赤や鱗屑)など、

湿気の多い暑さ、多汗、蒸れ、衣類の締めつけ、不衛生などに加え、免疫低下、肥満、糖尿病、妊娠、抗菌薬の使用などがカンジダ症の要因になります。

◇マラセチア感染症
ひとのからだにもともと常在するマラセチア菌が過剰に増えることで起こります。
・癜風(身体にまだら状にできる皮疹で、多汗、高温多湿の季節で思春期以降20~30歳代男女に多い)
・マラセチア毛包炎(思春期以降20~30歳代の背中や胸にできるニキビ様のブツブツ、毛穴でマラセチア菌が増殖して起こる)
脂漏性皮膚炎(感染症というよりは湿疹の仲間)

 

≪治療と予防≫
①抗真菌薬の外用と、部位や範囲、症状によっては抗真菌薬の内服治療を行なうこともあります。病院で菌がいるかどうか検査をして治療を開始することをおすすめします。
②身体のあらゆる部位に発生することがあるため、特に暑い季節は毎日シャワーなどで身体を清潔に保ちましょう。汗は洗い流すのが効果的ですが毎回石けんを使う必要はありません。乾燥しすぎると肌のバリア機能が低下します。
③菌は高温多湿の環境を好み繁殖します。蒸れや汗などで湿った肌着や靴下は早めに交換し、清潔でドライなものを身につけるのが理想です。また密着度の高い衣類の締めつけや摩擦が起きる部分も菌の増殖を促しますので避けたほうがよさそうです。
④疑わしい症状がみられたり、菌の存在が確認されたときは、身近なひとに感染させないために、接触行為はもちろん、タオルやバスマット、スリッパなど患部に接触するものの共有も避けましょう。

2023年7月11日4:47 PM

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