毛穴の黒ずみを予防する
毛穴の黒ずみを気にされているかたは多いと思いますが、黒ずみの原因をご存じでしょうか?
肌はターンオーバーを繰り返し古い角質がはがれ、新しい角質に生まれ変わります。しかし睡眠不足や偏った食生活をしているとターンオーバーのリズムが乱れ、古い角質がはがれ落ちずに残った状態になります。また過剰に分泌された皮脂が混ざり合い角栓ができ、さらに洗顔やクレンジングで落としきれなかった汚れも毛穴につまっていきます。
毛穴につまった角栓が酸化して黒くなりポツポツと目立つ黒ずみになります。
皮膚表面の汚れや過剰な皮脂をケアすることにより、ターンオーバーを正常に機能させることが重要になります。
~セルフで行なう正しいケア~
◇クレンジング(メイクをされるかた)◇
❶しっかりメイクのときはオイルクレンジング、ナチュラルメイクにはリキッドタイプ、さっぱり好みのかたはジェルタイプ、しっとり好きにはミルクタイプ、など、メーカーによって種類はさまざまです。メイクのしかたやお肌のタイプに合わせてクレンジングを選びましょう。
❷使用量を守りましょう。少ない量ではお肌と手のあいだに摩擦が生まれてしまいます。じゅうぶんな量を優しい力加減でなじませます。こするのではなくなじませます。
❸なじませ残しのないよう、時間をかけすぎずになじませたら、ひと肌程度のぬるま湯で、クレンジング成分のすすぎ残しがないように流しましょう。
◇洗顔◇ 角質ケア石けんスキンピールバーのご紹介
❶泡立ちをよくするため、まずは手を洗い、顔を水かぬるま湯で濡らしましょう。乾いた肌に直接洗顔料をつけると、デリケートな肌の負担になったり、泡がすぐに消失してしまいます。
❷洗顔料をしっかり泡立てます。水と空気を少しずつ含ませながら、きめの細かい弾力のある泡をたっぷりつくりましょう。
❸泡を転がすように洗顔します。ゴシゴシこすり洗いはNGです。皮脂量の多い小鼻やTゾーンは丁寧に。
❹ぬめりがなくなるまでぬるま湯で丁寧にすすぎましょう。
❺やさしくおさえるように水分を拭き取ります。
◇スキンケアと紫外線対策◇
❶洗顔後はしっかり保湿しましょう。肌の乾燥はターンオーバーが乱れたり毛穴が開く原因になることも。
❷紫外線はメラニンを生成し毛穴の入り口が黒ずむ原因となります。一年を通して日焼け対策することをおすすめします。
◇日常生活◇
❶栄養バランスのとれた食事が大切ですが、特にターンオーバーを整えるビタミンAや、皮脂の分泌を調節するビタミンB2・B6、抗酸化作用や美白作用など美肌には欠かせないビタミンCを積極的に摂りましょう。サプリメントで補うのも方法のひとつです。
❷血行不良はターンオーバーの乱れにつながります。適度に身体を動かしましょう。
❸お肌のターンオーバーは睡眠中に活発に行なわれています。質の良い睡眠を心がけましょう。
❹ストレスもお肌の大敵です。ストレスのせいでホルモンバランスが乱れると、ターンオーバーが乱れたり毛穴が開いたりしてしまいます。
ご自身で実践できる毛穴のケアについてご紹介しましたが、プラスワンのアイテムをご紹介します。
グラファC10ローションは医療機関のみの取扱い商品です。
あらゆるお肌のお悩みにおすすめしたい化粧水です。サンプルのご用意もありますのでお気軽にご相談ください。
※アトピー性皮膚炎など皮膚科的治療をされているかたは主治医の指導のもとお使いください。
2022年2月3日5:02 PM
冬の皮膚トラブル
冬になると、寒さや空気の乾燥が原因の皮膚トラブルが起こります。トラブルの原因を知り、スキンケアや適切な保温アイテムの使用を心がけ、皮膚の健康を守りましょう。
❶乾燥肌
空気の乾燥によりお肌もカサカサしてきます。乾燥するとかゆみも伴ない、かいているうちにバリア機能が低下し、アレルゲンや菌、ウィルスなどの侵入を許してしまいます。さらにかゆみが強くなってかいてしまうことで湿疹化のリスクも高まります。※くわしくは⇒乾燥肌について
❷あかぎれ
乾燥したりお湯を使うことが多くなると皮脂や皮膚の水分が失われ、主に手足の皮膚がひび割れてきます。ひび割れが深くなって出血や痛みが出てくることもあります。手洗いや水仕事など石けんや洗剤の刺激も原因のひとつになります。冷えと乾燥を防ぐため、外出時の保護・保温、手作業や水仕事中の保護のため、手袋を有効に活用し、こまめに保湿ケアをしましょう。あかぎれ状態になると保湿だけでは治りませんので、早めの受診をおすすめします。
❸口唇炎
口唇も皮膚と同じく乾燥します。いまはマスクをしていることが多く、口唇が外気に触れる機会は少ないかもしれませんが、マスク内の蒸れにより荒れやすくなっています。また、マスク装着によりリップクリームをこまめに塗れなくなるため、乾燥がちになると口唇炎を起こしやすくなります。※⇒口唇のケアについて
❹しもやけ
血行障害が原因で手や足に起こる冬の代表的な疾患です。赤く腫れたりかゆくなったりします。悪化すると皮膚潰瘍に陥るのであなどってはいけません。※⇒しもやけについて
❺低温やけど
湯たんぽや電気カーペット、使い捨てカイロなどの使用によるやけどで、低めの温度でも長時間使用し続けることで生じる恐れがあります。熱いと感じたらすぐに使用をやめることで予防できますが、使用したまま入眠してしまうとやけどを起こすリスクが高まります。※⇒低温やけどについて
お困りのかたはいつでもご相談ください。症状がひどくないうちに治療することが大切です。
2022年1月6日12:05 PM
お肌の乾燥
冬は大気が乾燥するのでお肌の乾燥が目立ってきます。
≪乾燥肌のメカニズム≫
皮膚の表面は、表皮と呼ばれる細胞の層があり、いちばん外側に角層が存在しています。角層は皮膚のバリア機能(外部の刺激や異物から肌を守りつつ水分を閉じ込めておく機能)の役割を担っているほか、水分を保持して皮膚をみずみずしくなめらかに保ってくれています。角層の水分量の低下した状態が乾燥肌です。
もともと乾燥しやすい体質ではないかたも、冬や冷暖房のきいた室内は湿度が低く乾燥しており、お肌も乾燥しやすくなります。また、ほこりや花粉、紫外線、加齢なども乾燥の原因となります。カサカサ感や入浴後のつっぱり感、粉をふく、かゆみなどがあると乾燥肌といえます。
≪乾燥肌の予防はスキンケア≫
❶スキンケアアイテム
スキンケア用品は市販でもたくさん種類があります。形状や効能のほか香りを楽しむものなどさまざまです。スキンケアの基本は継続することです。まずは、ご自身にあったもの、塗りやすく続けやすいものを使うことをおすすめします。
お肌が弱く市販のもので合うものを見つけられないお困りのかたは、こちらでも処方やご紹介が可能ですのでご相談ください。
❷タイミング
顔や体は朝晩しっかりケアできるとよいと思います。最低でもお風呂上がりは必ずケアが必要です。入浴後はお肌の水分が失われやすいので、衣服を着る前に一気に塗ってしまうのがおすすめです。
手の場合は、頻回に洗ったり水仕事や手作業など刺激を受けやすいので、手洗いやひと仕事終えるたびにハンドクリームを塗る習慣をつけることが大切です。
❸刺激をあたえない
身体を洗ったりお化粧を落としたりする際にゴシゴシこすらないこと、また、スキンケアの際にもすりすり摩擦を与えながら塗らないことを心がけましょう。
お肌に何かを塗る際は、優しくなでるように塗り、表面に、ある程度のべたべた感が残った状態で終えましょう。(ティッシュが張りついて落ちない程度が目安です)
乾燥肌を放っておくと・・・
バリア機能が低下してしまい、ちょっとした刺激にも弱くなったり細菌が侵入しやすくなり皮膚炎を引き起こす、皮膚炎のせいでかゆみが強くなり、かいてしまうとさらに荒れて症状は悪化、、、と負の連鎖が始まります。
また、乾燥肌は皮脂がつまりやすくなっているのでニキビの原因にもなります。さらに水分と皮脂が少ない状態なので、肌を守ろうとして角質が固くなり、シワの原因にもなりえます。
乾燥肌は、こじらせてしまい皮膚炎にまで発展してしまうとなかなか自力では治せないものです。たかが乾燥と楽観視せず、早めにご相談いただけたら幸いです。
2021年12月8日3:56 PM
ニンニク注射(アリナミンF)はじめました
ニンニク注射には激しい運動後のビタミンB1補給や、ビタミンB1の欠乏による一般的な疲労に対する回復効果があります。
実際にニンニクが原料になっているわけではなく、ニンニクのにおいのもととなるアリシン化合物に由来する成分が含まれていること、薬剤自体のにおいが似ていることからそう呼ばれています。注射すると一時的に呼気や汗からにおいを感じられますが、一定時間経過すれば消失します。
◆効果・効能◆
・ビタミンB1欠乏予防
・ビタミンB1補給
・ビタミンB1欠乏による疲れ・代謝障害(神経痛・筋肉痛・便秘など)の改善
※効果には個人差があります。
疲れがたまっても仕事を休めないかた、この1週間ががんばり時だというかた、ハードな運動をしていて筋肉疲労がつらいかたにすすめられます。
◆用法および注意事項◆
1回量20mlをゆっくり静脈注射します。注射後すぐににおいを感じます。
※まれに血管痛や手のしびれを感じる場合があります。
◆副作用◆
血管痛、注射部位の硬結・痛み、発疹・掻痒感などの過敏症、ショック(0.1%未満)
◆金額◆
1回1アンプル(20ml) 1000円
※効果の持続期間は個人差によりますが、3日~1週間ほどとなっていますので、週に1~2回を目安に注射をおすすめします。
2021年10月26日10:15 AM
ウオノメかな?それはイボかもしれません
足の裏にできているかたいマメのようなできもの、靴があたったり歩くと痛かったりして、ウオノメができてしまったと放っておいてはいませんか?しかも、かたくなったところをご自身で爪切りやカッターナイフを使って切り取っていませんか?
ウオノメであれば前述のように物理的に除去するか、かたくならないように工夫(靴や中敷きの見直しなど)することが治療になりますので、ご自身でやってみるのも悪くありません。
ところが、何年もウオノメと思っていたものが実はイボだったというケースはたくさんあります。
―かたいところを削ったら痛くもないのに血が出てきたことがある
―お子さまの足の裏にウオノメがあるなと思ってはいるが様子を見ている
この場合、イボの可能性が高いです。ウィルス性の疣贅(ゆうぜい)ともいいます。
足だけでなく手にできることも多く、身体のほかの部分にもできます。
イボを治すには液体窒素による凍結療法が有効で、保険がきくポピュラーな方法です。自然に治るケースもありますが、治るのを待っているうちに数が増えたり大きくなったりしてしまい、治療に要する期間も長くなってしまいます。大人の場合は年単位で治療することも。。。
いぼの治療は、できてから早期に治療を開始できるかが大変重要です。
怪しいものを見つけたら早めにご相談ください。
2021年10月20日12:37 PM
足のむくみと皮膚炎
足がむくみやすいかたは、うっ滞性皮膚炎のリスクが高いといえます。うっ滞とは血流が静脈などに滞ることをいい、血行障害を引き起こします。
このうっ滞性皮膚炎は、ひざ下の、特にくるぶしあたりに生じやすく、皮膚の赤みから始まり、時間をかけて暗褐色に変わっていき、さらに進行すると皮膚がかたくなり潰瘍ができやすくなります。皮膚の変色とともにかゆみもあらわれ、潰瘍ができたり感染をともなうと痛みも出てきます。
≪原因≫
ふくらはぎの筋力の衰えによりポンプ機能が低下していたり、静脈弁の働きが弱い、長時間の立ち仕事、妊娠、肥満や加齢などで慢性的な静脈不全となり、静脈血が血管外に漏れ出て炎症を引き起こします。また、血管から皮膚への酸素や栄養の供給が不足してしまい炎症や色素沈着があらわれます。
≪予防≫
①長時間の立ち仕事に従事されているかたに起きやすい傾向がありますので、足に血がたまらないよう心がけながら活動しましょう。軽いストレッチもおすすめです。
②休憩中やご自宅での安静時は足を拳上し、睡眠時も足元を高くして休みましょう。
③きついと感じるくらいの弾性ストッキングや弾性包帯を使用すると、つけているあいだは下肢のむくみを軽減したり血流の滞りの予防になります。
④肥満がある場合は減量をおすすめします。
★②や③については心疾患などで内科的に治療中の場合、医師の指示のもと行なったほうがよいでしょう。
≪治療≫
◆痛みがなければ基本的には弾性ストッキングや包帯による圧迫療法が主体となります。
◆湿疹や皮膚炎を起こしている場合は炎症をおさえるステロイドの塗り薬などを使います。
◆傷や潰瘍がある場合は、患部を毎日洗い潰瘍の治療薬を使用します。感染予防のため必ず洗いましょう。
◆むくみの原因がわかっていない場合は、循環器や呼吸器、腎機能、糖尿病など内科的にも診てもらう必要があります。
2021年10月1日6:33 PM
とびひ(伝染性膿痂疹)を予防する
とびひは夏を代表する皮膚病のひとつで、とくに小さいお子さまに多い病気です。
あせもや虫刺されのかきこわし、転んでできたすり傷などに黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった細菌が入りこんでしまいます。健康な皮膚は通常バリア機能で守られており感染の心配はありませんが、傷やかきこわし、アトピーの肌荒れといったバリア機能の弱まったところで細菌の侵入を許してしまい、感染が起こります。
かゆくてかいてしまうとバリア機能も崩れてしまううえ、かいたその手で細菌を別の場所に運んでしまいます。これを繰り返した結果、かゆみを伴なうかさぶた、またはみずぶくれがあちこちに広がっていくことになるわけです。
【とびひにならないために気をつけること】
➊皮膚や手指を清潔に保つ。
➋虫刺されや湿疹ができたらすぐに薬を塗るなどのケアをして触らないように気をつける。かいたり触ったりしがちであれば、ガーゼで覆うなど工夫を。かゆみが強くて我慢が難しいときは病院受診も。
➌転んだり遊びでできた傷は必ず石けんで毎日きれいに洗い、ジクジクしていたら覆うようにして、治りが悪ければ病院へ。
➍爪のあいだは細菌が繁殖しやすいので普段から爪を短く整えておく。
➎アトピー治療は怠らず、皮膚のコンディションをよい状態に保つように。乾燥肌体質であれば保湿を常に心がけバリア機能を維持させる。
➏細菌の温床である鼻の穴をいじらない。
とびひかなと思ったら、病院を受診、診断のうえ治療する必要があります。飲み薬や塗り薬でこれ以上の感染の広がりを防ぎます。放置するとどんどん広がり全身に影響を及ぼすことにもなりかねません。
【とびひになってしまったら】
①感染力が強いので他人にうつさないような感染対策を。
◆家族間、とくに子ども同士で浴槽や衣類、タオルを共有しない。
◆患部が他人に触れないようガーゼできちんと覆う。
◆手指の清潔を徹底する。
②毎日シャワーで全身をきれいにし、医師の指示のもと薬を塗り、清潔なガーゼで覆う。※絆創膏などで患部を密閉してしまうと菌が繁殖するため、通気性のよいガーゼがよい。
③プールは控える。
④登園や登校は患部をきちんと覆っていれば基本的には可能。
適切なケアを行うことで症状の広がりをおさえ早めの治癒に繋がります。心配なことがあればいつでもご相談ください。
2021年8月24日4:49 PM
真夏の肌トラブル予防
❶汗
汗をかいたままで放っておくとかゆみの原因になります。炎症が起きて湿疹になると治療が必要になってしまいます。またアトピー体質のかたは汗が刺激になり症状が悪化することもあります。ただし、汗はお肌の保湿という役割も持っているので汗自体は悪いものではありません。たくさん汗をかいたあとは、ゴシゴシ乾いたタオルでこするのはNGです。濡れたおしぼりなどでやさしくおさえるように拭きましょう。帰宅したらシャワーですぐに洗い流してしまいましょう。
❷日差し
この時期の紫外線はたいへん強いので、露出部分の多い夏の服装ではそれだけたくさんの紫外線を浴びてしまいます。日光皮膚炎や免疫力の低下も引き起こしかねません。TPOに合わせた方法で必ず紫外線対策を行ないましょう。
❸虫や植物
山や川などへお出かけの際は、自然に生息する生き物や植物に不用意に触れないよう注意しましょう。虫刺されだけでなく植物によるかぶれなど、何が起こるかわかりません。直接触れずにすむように、露出の少ない服装がよいでしょう。また虫よけ対策も忘れずに。
❹身につけるもの
薄着になったお肌にアクセサリーやベルトのバックルが触れると、それが直接刺激になったり汗がたまったりしてかゆみを引き起こしてしまいます。また、肌着類が汗で密着して蒸れがちになりかゆみが出やすくなります。通気性のよい衣類を選び、かゆみの原因となるものは避けましょう。
❺乾燥
エアコンのきいた室内で過ごすことが多かったり、外で紫外線をたくさん浴びてしまうと、意外と皮膚は乾燥してしまいます。お肌のコンディションに合わせて保湿ケアを行ないましょう。日焼け後はクーリングをしたり保湿をすることをおすすめしますが、ほてり感やひりひり感が強い場合は化粧水などが刺激になってしまうこともあるので、はやめに医療機関を受診したほうがよいでしょう。
❻足
プールや温泉など、素足の状態で不特定多数の人が使用する施設に出入りすると、水虫菌やいぼのウィルスなどの感染機会が多くなってしまいます。全身きれいに洗って出てきても脱衣所を歩くことでもらってしまう可能性があります。万全を期すのであれば、自宅や自室でもういちど足を洗う、さらに、乾燥皮むけの荒れた状態では菌やウィルスも侵入しやすいので日頃からケアをしておく、というような予防法がおすすめです。
夏の肌トラブルのなかでもメジャーなものをご紹介させていただきました。
いろいろ規制はありますが、予防や対策をしっかりとしつつ、健康的で安心安全に夏を楽しめたら幸いです。
2021年7月30日11:01 AM
夏の暑さや疲れ、ストレス、そして帯状疱疹
帯状疱疹とは
子どもの頃に水ぼうそうにかかるとウィルスはそのまま神経の中に潜んでいます。一生そのウィルスは排除されることなく潜み続け、加齢や心身の疲れ、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウィルスは再び活性化することで帯状疱疹を引き起こします。
皮膚の症状
最初はピリピリとした皮膚の痛みで始まることが多いようです。それから徐々に赤みとぶつぶつ、さらに水ぶくれがあらわれます。水ぶくれがやぶれるとジュクジュクしたただれ状態となり最終的にかさぶたになって取れていきます。この皮膚の症状は通常2~3週間で治癒します。一般的に身体の左右どちらかの神経に帯状にあらわれるのが特徴的です。
痛みの症状
個人差はありますが、はじめに神経痛のような痛みが起こります。この痛みは、皮膚の違和感やかゆみ、しびれとして感じる程度から、ピリピリ、ズキズキ、チクチク、針で刺されるような、焼けるような、など、感じかたは様々です。痛みが強くなると日常生活や睡眠にも影響が出るほどです。
※帯状疱疹後神経痛は、皮膚症状が治癒しても神経のダメージが残り痛みが続いてしまう状態をいいます。一般的な内服鎮痛薬で痛みのコントロールがつかない場合は、痛みの専門外来(麻酔科やペインクリニック)で治療を受ける必要があります。
治療
ウィルスの増殖を抑える抗ウィルス薬を内服します。発症から早い段階で治療開始できれば痛みなどの症状の長期化を防ぐことにもつながります。皮膚症状に対しては皮膚の保護や、ジュクジュク期の感染予防のための塗り薬を使うこともあります。
生活上の注意
◆水ぼうそうにかかったことのない赤ちゃんやお子さま、妊婦さんに水ぼうそうとしてうつすことがあるので接触しないよう注意が必要です(かさぶたになるまでは患部を覆うこと、さらに唾液中にもウィルスは排出されているので気をつけましょう)。
◆患部の痛みは温めると和らぎます。お風呂もおすすめですが、患部がジュクジュクしているときは細菌がつきやすいので湯船は控えた方がよいでしょう。
◆患部は清潔に。1日1回は石けんでやさしく洗いましょう。
◆お酒を飲むと血管がひろがり炎症などの症状が悪化することがありますので控えた方がよいでしょう。
◆疲労やストレスが発症の引き金であることが多いので、無理をせずゆっくり休みましょう。
2021年7月5日2:50 PM
水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼは、伝染性軟属腫ウィルスによる皮膚の感染症です。お子さまに多い病気で、直接触れ合ったり、物(衣類やタオル、オモチャ、プールで使うビート板など)を介して感染します。
≪症状≫
1~5㎜程度の光沢のあるふくらみができます。ふくらみの中央にくぼみがあるのが特徴で、中にある白い芯のような部分にウィルスが多く含まれています。
接触して感染しても症状があらわれるのに14~50日程度かかるといわれています。そのため治療しても次から次へとあらわれることがあります。また、症状のない潜伏期間中でもウィルスを拡散させるといわれています。
≪よくできる部位≫
胸やおなかなど皮膚のうすいところや、わきの下、人と接触しやすい腕などにもよくできます。
≪治療について≫
放置していても自然に治るといわれている水いぼですが、長期間(6か月~5年)かかります。治るのを待っているあいだに、広範囲に増えてしまったり、他人にうつしてしまったりすることがあります。アトピー性皮膚炎や乾燥肌でお肌が荒れやすいお子さまや小さな傷などからもうつりやすい病気ですので、ひどくなるまえに治療することをおすすめする場合があります。
≪治療の方法≫
液体窒素をあてる、ピンセットでつまみ取る、硝酸銀塗布、電気で焼くなど、さまざまな方法があります。治療に痛みをともなうため、自然治癒を待つことをすすめる先生も多いようです。
※当院では主に麻酔のテープを貼ったあとピンセットでつまみ取る方法で治療します。部位やご希望によって液体窒素で治療をすることもあります。(処置は平日の予約制で、ほかの方法の扱いはございません)
水いぼができてしまったら...
登園・登校に制限はなく、プールに入ることも制限はありません。ただし、お互いの皮膚の接触がないよう注意すること、また、ビート板や浮き輪、タオル、衣類などの共用をしないことで感染の機会をなくさなければなりません。接触を避けるのが難しい場合は患部を防水テープなどで一時的に覆うなども方法のひとつです。
ならないために、うつさないために...
❶日常から、衣類・タオルの共用はしない
❷プールでも水着・タオル・浮き輪・ビート板は共用しない
❸スキンケアで皮膚のバリア機能を保つ
❹かきこわさない・・・増えたりとびひの原因にもなりえます
❺ほかのひとに直接触れないように患部は衣服やガーゼなどで覆う
❻プールの後はシャワーで体をよく洗い流しスキンケアをする
2021年6月16日2:56 PM