汗のお話
暑くてジメジメした季節になってまいりました。
汗をかくのが嫌いと思われるかたも多いのではないでしょうか。
ところで、汗の役割をご存知ですか?
汗には、皮膚の水分量を保ち潤いを与える、保湿の役割があります。
さらに汗に含まれる物質が、ウィルスや細菌、アレルゲンなどから皮膚を守ってくれるという免疫の役割もあります。
おまけに体温調節も担っています。汗が蒸発するときに発する気化熱が体内の熱を逃がして体温を下げます。
以上のように、汗をかくことは悪いことではありません。ただし、汗をかいたときの対処をきちんとしなければなりません。
かいた汗を長時間放置すると皮膚の炎症が悪化したり、あせもやかゆみの原因になったりします。
~対処法~
★汗は速やかに洗い流すか、おしぼりや濡れタオルでやさしく拭き取りましょう。
市販の汗拭きシートやウェットティッシュは含有成分が刺激になったり乾燥しやすいかたもいます。使用の際は注意しましょう。
★通気性のよい速乾性のある衣類を選び、汗をかいたら着替えましょう。
★夏も保湿ケアをおすすめしています。汗で保湿されたとはいえ、かいた汗が蒸発する際に皮膚の水分が奪われます。また、エアコンや紫外線なども皮膚の乾燥を誘発します。
正しく対策して夏の皮膚トラブルを防いでいきましょう。
2018年6月8日2:55 PM
それ、本当に水虫ですか?
夏に多い皮膚科の病気のひとつに足の水虫があります。
水虫には以下のタイプがありますが、必ずしもかゆいわけではありません。
①趾間型・・・足の指間の皮がめくれたりジクジクする。乾燥性のものもあり。
②小水疱型・・・足の裏や縁に小さな水疱ができる。
③角質増殖型・・・足の裏の皮膚が厚くなり、ガサガサ乾燥してひび割れを起こすこともある。
一方で、水虫と誤解されやすい病気は、、、
♢接触性皮膚炎(いわゆるかぶれです)
直接皮膚に触れたものが原因で起こる炎症や湿疹。塗り薬や化粧品、衣類や植物、洗剤に薬品と、原因は様々。
♢汗疱・異汗性湿疹
足や手に小さな水疱が多発する病気で、夏季に発症することが多いため汗と関係があるともいわれている。
同じような症状を呈する病気でも原因が違うと治療も変わってきます。水虫には抗真菌薬を用いますが、かぶれや汗疱にはステロイド剤を用いることがあり、そのステロイド剤を水虫に塗ってしまうと水虫菌は活発になってしまいます。
自己判断での性急な治療はかえって症状悪化を招き、その結果、完治まで遠回りになります。
水虫の治療薬は市販薬でも処方薬でもかぶれることがあります。水虫でもないのに水虫薬を塗ってかぶれを起こし、かぶれで荒れた皮膚に水虫菌がつけば、通常よりも簡単に感染してしまうという悪循環にもなりかねません。
そうなるまえにぜひご相談を。いつでもお待ちしております。
とびひにご注意を!
虫さされやあせもなど、露出した肌のかゆい部分を、お子さまはなんのためらいもなくボリボリ掻きむしります。
ところが、
その手には細菌が無数についていて、掻きむしってできた傷から感染を起こします。その感染部分を掻きむしり続け、その手で他のかゆいところも掻きむしり、、、こうして徐々に感染部分は広がってゆきます。これがとびひです。
とくに、鼻ほじりのクセがあると要注意です。鼻の穴はとびひの原因となるブドウ球菌の温床です。鼻をいじったその手で体のあちこちに菌をばらまきます。
掻いていたところがジュクジュクしていろいろなところにうつってきたという症状がある場合は、とびひの可能性があります。抗生物質の投与が有効になりますので早めのご相談をおすすめします。
とびひと診断されたら、、、
★さわらない、いじらない、かかない。
★清潔第一
石けんでやさしく洗い、清潔なタオルで水気をおさえて吸い取りましょう。
★処置
患部に薬を塗りガーゼや包帯で覆ってしまいましょう。寝ている間に掻けないようにしたり、他のひとにうつしてしまうリスクを避けられます。
とびひを予防するために、、、
☆毎日お風呂に入るかシャワーを浴び、石けんを使って洗いしっかり流しましょう。
☆湿疹やアトピーなどかゆみを伴なう疾患の治療をきちんとしましょう。
☆虫さされや傷は早めに対処しましょう。
☆爪を短く切り、外出後や遊んだ後は手をよく洗いましょう。
☆鼻をいじるのをやめましょう。
とびひになると、体の接触から他のひとにうつしてしまったり、症状を悪化させるリスクがあるためプールに入ることができません。ならないようにしっかり対策し、楽しい夏をむかえましょう。
2018年5月1日10:31 AM水イボの患者様が増えています!
“傷”を悪化させないために
すり傷や切り傷、やけど、掻きこわしやただれなどの皮膚の損傷が起きた際、「怖くて触れない、洗えない」とおっしゃるかたが多くいます。そのうえさらに、そのまま絆創膏やキズパッドなどで覆ってしまっているようです。
怖くても、流水下で損傷部をしっかり洗浄してください。
異物が付着していたり汚れていると、細菌が感染して炎症を起こし、赤く腫れて痛みを伴い、膿が出てきます。これが化膿です。
細菌がついたままキズパッドなどで覆ってしまうと、内部で菌が繁殖してしまい悪化する恐れがあります。
化膿してしまうと、傷の治りが遅くなったり感染が周囲にもひろがり、抵抗力の低下しているかたではさらに全身へと影響を及ぼしかねません。化膿した状態では抗生物質の投与を要することもあるため、悪化してしまうまえに診察を受けることをおすすめします。
すぐに診察を受けられなくても、ご自身での傷の洗浄は必ず行なってください。
石けんを使用して泡でやさしく洗い、水圧を利用してしっかり流しましょう。異物や細菌を減らし悪化を防ぐことにつながります。
2018年4月19日12:40 PM
春はニキビにご用心を。
暖かい季節になりました。新生活のスタートです。
それとともに春はニキビが悪化しやすい季節でもあります。
花粉の影響や新生活へのストレスによるホルモンバランスの乱れなどが原因にあげられます。
悪化しないために・・・
①基本的に洗顔は1日2回、洗顔料でしっかりと。とくに夜(帰宅後)は 花粉やほこりなどの刺激物質を取り除けます。
②しっかり保湿しバリア機能を補います。
③しっかり紫外線対策。
✿乾燥・敏感肌のかたは、クレンジングや洗顔料で過度に洗いすぎるとバリア機能を低下させる恐れがあります。お肌の状態に合わせてやさしく丁寧にお手入れしましょう。
④適度な運動などしっかり気分転換し、睡眠不足や偏った食生活に気をつけましょう。
保湿剤や日焼け止めのサンプルのご用意もあります。お困りの際はいつでもご相談ください。
2018年4月2日2:57 PM
春の肌トラブルについて
寒い冬がようやく終わり、暖かい日が多くなってまいりました。足の冷えやしもやけに悩まされていたというかたは、そろそろ過ごしやすくなってきたのではないでしょうか。
ところがその反面、春は意外と肌トラブルや皮膚の疾患が起きやすい季節でもあります。
たとえば・・・
❀花粉によるアレルギー反応
❀気温上昇で皮脂腺や汗腺が活発化する
❀ホルモンバランスの乱れによる肌荒れ
❀新生活へのストレス etc…
最近では、花粉皮膚炎、帯状疱疹、ニキビ、水虫などのかたが多く受診されています。また、まだまだ乾燥性の湿疹によるかゆみを訴えてこられるかたも多くいらっしゃいます。
ちょっとしたトラブルも早めに対処し、暖かく穏やかな季節を楽しめるといいですね。いつでもご相談にいらしてください。
2018年3月23日9:15 AM
ご存知ですか?花粉皮膚炎
春を迎えるこの季節、顔や首などの赤みやかゆみにお悩みのかたが多くいらっしゃるのではないでしょうか。
花粉が皮膚に直接影響を与えて、かゆみや湿疹を起こす花粉皮膚炎の可能性があります。鼻や目に症状がでる、いわゆる”花粉症”をお持ちでないかたにも起こりえます。
鼻や目に花粉がつくと、くしゃみや鼻水、涙が多く出ます。これは体内に入りこもうとする異物(花粉)を追い出そうとする体のしくみです。同じように、皮膚に花粉がつくと追い出そうとするしくみが働き、かゆみや湿疹などの反応を起こします。
特にお肌が乾燥したり、かゆくてボリボリ掻いてしまうようなかたは、皮膚のバリア機能が低下していて花粉の影響を受けやすい状態にあります。
予防策は
①スキンケアでバリア機能を補う
②皮膚を清潔に保つ
③マスクやメガネで保護する
④こまめな掃除で花粉を除去する
もし赤みやかゆみがあっても、掻かないことが大切です。
掻くことで症状は悪化します。
なるべく花粉をよせつけない工夫をして、花粉飛散の時期を乗り切りましょう。
お困りの症状があるときは、お早めにご相談ください。
2018年3月6日12:57 PM
水痘(水ぼうそう)について
いちどかかったら終生免疫を得られるといわれていた水痘ですが、再感染することがわかってきました。
最初の罹患が1才未満であったり、軽症ですんでいた場合などが考えられるようです。また、ワクチンを接種していても軽くかかることがあります。
過去にかかった、予防接種を受けたからと安心せず、周囲で流行していたり似ている症状が出現した場合は、はやめに診察を受けましょう。
☆感染力が非常に強いウィルスです!以下が感染経路です。
・飛沫感染(くしゃみや咳によって飛散したしぶきを吸い込んでしまう)
・接触感染(水疱からの排出物に触れてしまう)
・空気感染(空気中に漂うウィルスを吸い込んでしまう)
☆症状(接触から2~3週間の潜伏期間があります)
皮膚の表面が赤くなる紅斑があらわれ、水疱⇒膿疱⇒痂皮(かさぶた)と変化していきます。
最初は1~2個の虫刺されに似たものがあらわれ、1日かけて全身に広がります。次々に新しい皮疹があらわれるので、新旧の皮疹が混在するのが特徴的な病気です。
発熱も伴うことがあります。特に大人になってから初めてかかると、高熱が出て皮疹も広範囲になったり、子どもよりも重症化する場合があります。
☆すべての皮疹がかさぶたになるまで感染力があります。そのため学校保健法では、『全ての発しんがかさぶたになるまで出席停止とする』と定められています。
水痘の診断が早ければ抗ウィルス薬投与などにより、ウィルスの増殖をおさえられ皮膚症状や全身状態が悪化せずにすむでしょう。
そのためには早めの診察をおすすめします。
2018年2月19日6:44 PM
あると便利! 実はお得!? お薬手帳について
新年をむかえ、いかがお過ごしでしょうか。寒い日が続きますが体調にお気をつけて、元気に毎日を送っていただければ幸いです。
本日はお薬手帳についてお話しさせていただきます。
調剤薬局に処方箋を出す際、お薬手帳をすすめられてことわった経験はありませんか?
《お薬手帳とは》
これまでに処方された薬を記録する手帳のことです。薬名、量、用法、医療機関などをひと目で把握できます。
☆治療のうえで情報の宝庫になります!どんどん活用しましょう!
・薬による副作用の出現やアレルギー歴、病歴などを記載する。
・実際に服用・外用した際の効果をメモする。
・市販薬の使用も記載する。
・検査結果を貼る。 etc…
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他院を受診した際にもどんな治療をしてこられたのかを伝えることができます。
重複して処方されるのを防いだり、次の治療を選択する目安にもなることがあります。
また、血液データは内服薬選択のうえで重要な情報です。
☆常に持ち歩けば、もしものときに役立ちます!
外出先でなにかあったときや災害時にも治療の大きな手がかりとなります。
☆お薬手帳でわずかにお得になる場合があります。
手帳持参で、『6か月以内に同じ薬局で処方してもらった場合』に、3割負担のかたで40円お安くなります。
お薬手帳を最大限に有効活用することで、スムーズで無駄のない治療を受けることにつながっていけばよいですね。ご相談があればいつでもお待ちしています。
2018年1月25日2:50 PM