じんましんの仕組み、ご存知ですか?
梅雨入りし高温多湿で不快な季節です。長く続く暑さを思うとうんざりしてしまうことでしょう。そんな気候で疲れやすかったりストレスを感じるかたも多いと思います。こういった状態がじんましんの引き金になりえます。
じんましんが起こる仕組みは、、、
何らかの刺激を受けると皮膚のマスト細胞からヒスタミンが放出されます。このヒスタミンが血管に作用し皮膚のふくらみや赤みを、神経に作用してかゆみを引き起こします。
じんましんの特徴は、、、
★特定の原因は不明で、勝手に発症することがほとんど(原因がはっきりしているのは全体の3割くらい)
★突然あらわれる少し盛りあがった淡紅色の皮疹で強いかゆみを伴なう
★数十分から24時間以内にいつのまにか消えてしまう
★また別の場所にあらわれる、を繰り返す。この繰り返しが6週間未満に治まるものを急性じんましん、6週間以上続くものを慢性じんましんといい、長いと何年も続くことがあります。
原因が明らかなこともあります、、、
❶かぜ薬や鎮痛剤などを飲んで出た
❷ひっかいたり、物にあたったりした部分に出る
❸サバやマグロなど特定の食べ物を食べたあとに症状が出る
❹日光に当たると出る
❺運動や入浴後など体が温まると出る
❻寒いところに行くと出る
❼皮膚が水に濡れると出る、、、など、同一刺激により起きるとわかっている場合には、その刺激を避けることが大切です。
治療について
ヒスタミンを抑える作用がある薬を使います。様々な種類があり、ご自身に合った薬を続ける必要があります。
症状に合わせて医師と相談しながら量を徐々に減らしたり調子の悪い時は一時的に増やすなど、コントロールしながら気長に治療を継続し、ご自身の判断で急に中止にしないようにしましょう。
悪化させないためには、、、
悪化要因は人それぞれですが、一般的には睡眠不足、疲労、ストレス、アルコールや香辛料などの刺激物の取りすぎなどがあげられます。じゅうぶんな休養や規則正しい生活を心がけましょう。
2019年6月11日12:29 PMアタマジラミを正しく理解しましょう
アタマジラミと聞くと、なんとなくイヤなイメージをいだかれるかたが多いと思いますが、不潔にしているからわいて出てくるものではありません。
★アタマジラミの生態★
アタマジラミはヒトの頭髪に寄生し、頭皮から吸血してかゆみや湿疹などを起こします。また頭髪に固着した卵を点々と産みつけ、髪の毛にこびりついて取りにくいので簡単に発見できます。
ヒトに寄生するシラミは他の動物には寄生せず、他の動物のシラミはヒトに寄生しません。
ヒトから離れたシラミは運動能力が低く翅もないため飛べません。また、吸血できなくなるため2〜3日で死んでしまいます。
★うつる原因★
決して不潔にしているからではありません。
髪の毛と髪の毛が接触することでうつりますので、頭を寄せて髪の毛が触れあって遊ぶことの多い子どもたちは感染しやすいといえます。帽子やタオルの貸し借りも感染の原因になります。
お泊まり保育やお昼寝のとき、さらに子どもに添い寝する大人も注意が必要です。
★感染予防のために★
頭同士の接触を控え、体に触れるものの共有を避ければ予防になります。ただ、どんなに気をつけていてもお子さま同士の接触をすべて避けるのは困難です。かゆがったり髪に付着物はないかなど普段から気にかけ、早期発見し感染拡大予防につなげましょう。
治療には市販の駆除薬(主にシャンプー剤)を使用しますが、まずは確定診断を含め診察を受けられるとよいでしょう。
2019年3月15日9:55 AM
花粉皮膚炎にご注意を!
そろそろ花粉の対策を考えていただく時期ですが、今回は花粉による皮膚炎についてお話しいたします。
花粉皮膚炎は、花粉が皮膚に直接影響を与えて、かゆみや湿疹を起こす病気です。鼻や目に症状がでる、いわゆる”花粉症”をお持ちでないかたにも起こりえます。
鼻や目に花粉がつくと、くしゃみや鼻水、涙が多く出ます。これは体内に入りこもうとする異物(花粉)を追い出そうとする体のしくみです。同じように、皮膚に花粉がつくと追い出そうとするしくみが働き、かゆみや湿疹などの反応を起こします。
特にお肌が乾燥したり、かゆくてボリボリ掻いてしまうようなかたは、皮膚のバリア機能が低下していて花粉の影響を受けやすい状態にあります。
タオルでこすったり石けんで過剰に洗いすぎるのもバリア機能を損なう原因になります。普段から保湿をして角層を整えておくことが重要です。
予防策は
①スキンケアでバリア機能を補う
②皮膚を清潔に保つ
③マスクやメガネで保護する
④こまめな掃除で花粉を除去する
また、花粉以外が原因の接触性皮膚炎もあります。化粧品、石けん、点眼薬、シャンプーや毛染めなど、顔に触れるものの使用をやめて症状の変化を見極めるとよいでしょう。
もし赤みやかゆみがあっても、掻かないことが大切です。
掻くことで症状は悪化します。
なるべく花粉をよせつけない工夫をして、花粉飛散の時期を乗り切りましょう。
お困りの症状があるときは、お早めにご相談ください。
2019年2月18日6:45 PM
そろそろ春の花粉症対策を!!
まだまだ寒さの真っただ中にある東京ですが、2月中旬には花粉の飛散が始まるといわれており、当院にも内服を開始したいという患者様がすでにいらっしゃっています。去年の3倍近くも飛ぶのではないか?というニュースも耳に入ってきております。
スギ花粉は、飛散開始が確認される少しまえにわずかですが飛び始めるといわれているため、1月のうちから対策を始めるのは決して早すぎることではありません。
花粉症は、症状が出るまえから治療を開始することで、症状を軽くしたり、症状が出る期間を短くするなどの効果が期待できます。2月中旬に飛散開始予報があるため、事前に治療を始めたいかたは2週間まえを目安に開始できるよう準備しましょう。
~治療とともに心がけたいこと~
★外出時にはマスクや帽子、メガネを着用し、上着はナイロンやポリエステルなど花粉の付着しにくい素材を選ぶ。
★帰宅時には、上着にブラシをかけたりはらったりして家に入る。
★目や鼻、ノドを洗う。
★こまめに掃除する。
※花粉症ではない家族の方々にも協力してもらうことが大切です!
これらを徹底することで治療効果をあげることができます。
また、診察の際にはご自身の症状を的確に伝えていただくこと、過去の治療歴とその効果などもきちんと医師に伝えていただくことで、よりよい治療を選択する目安になります。
早めの準備で去年よりも快適にお過ごしいただけたら幸いです。
2019年1月8日6:47 PM
低温やけどを未然に防ぎましょう
低温やけどは、あたたかくて心地のよいものに長時間接することで起こります。温度は40~50℃程度のものです。心地よいため無防備に使いがちですが、油断するとダメージを与える凶器にもなりえます。
お手軽な保温グッズが恋しくなるこの季節、上手に使って寒い冬を乗り切りましょう。
保温グッズのなかでも、カイロや電気あんかのように体に直接あてるものだけでなく、ヒーターやこたつなどの暖房器具でも長時間同一部位にあてていれば低温やけどの危険があります。
低温やけどの場合、熱した油や熱湯に触れたときのような激しい痛みがないため、受傷していることに気づきにくいのが怖いところです。
最初は赤くてヒリヒリする程度でも、1日経過して水ぶくれができてしまった、というような変化が起こります。気持ちよいと感じながらも、長時間あててしまえば熱のダメージはじわじわと皮膚の深部に達し、気づいたときには重症な、治りにくい状態になってしまっています。
~予防するための注意点~
★使い捨てカイロ・靴下用使い捨てカイロ
・貼るタイプのものは必ず衣類に貼り、長時間同一部位への使用は避けましょう。また、貼ったまま眠らないようにしましょう。
・カイロを貼りつけたうえからサポーターやガードルで締めつけると、圧迫により血流が悪くなりやけどが進行する恐れがあります。
・靴下用カイロは靴を脱いだ状態のときや他の部位に使用すると、酸化が過剰になり高温になる可能性があるので注意して使用しましょう。
★湯たんぽ、あんか、電気あんか
・厚手のタオルや専用カバーなどに包んでいても、低温やけどを起こす可能性はあります。早めに布団に入れて温めておき、就寝時には布団から出すようにしましょう。
・足を乗せていると、その部分の圧迫により血流が悪くなりやけどの進行が早まってしまう危険があるのでやめましょう。
★電気毛布、電気敷布
・早めにセットして布団を温めておき、就寝時には電源を切るか、タイマーを1~2時間でかけて、途中で切れるようにしておきましょう。
★電気こたつ
・電気こたつに入ったまま眠らないように注意しましょう。
★ホットカーペット
・ホットカーペットの上で眠らないように注意しましょう。
★ストーブ
・電気ストーブを近くに長時間置かないようにし、つけたまま眠らないようにしましょう。
※疲労感の強いときや飲酒後などは、ちょっとウトウトだけではすまず、眠りこんでしまい、熱さに対する反応が鈍くなりますので注意が必要です。
見た目に変化がなかったり、たいした痛みではなくても、皮膚の深いところで異常が起きているかもしれません。大丈夫だろうと自己判断せず、早めの受診をおすすめします。
2018年12月17日2:46 PM
陥入爪について
◆陥入爪とは
陥入爪とは、爪の角が周囲の皮膚に刺さって炎症を起こした状態で、放置すると患部に肉芽(慢性的な炎症によってできる赤く柔らかい組織)が生じてしまうこともあります。患部が腫れて化膿したり、歩行時に強い痛みを伴なうなど、日常生活に支障をきたすケースもあります。
◆原因
深爪や、合わない靴を履きつづけることによる圧迫がほとんどです。
◆治療 ※当院で行なう保険治療
①抗生剤内服・外用
患部に感染が見られる場合に行ないます。
②テーピングや綿詰め
テープを貼って爪と皮膚を引き離すことで食い込みを防ぎます。また、爪を浮かせるように綿をはさみ込むこともあります。ご自宅で簡単にできる方法です。
③肉芽に対する冷凍凝固術(液体窒素)
肉芽を液体窒素を用いて除去する方法です。一回では取りきれないことがほとんどで、通院が必要になります。
◆予防
爪の切り方が重要です。
できるだけ入浴後などの爪がやわらかいときに、われないように端から少しずつ切るようにします。先端は指と同じ長さで四角い形にし、両角を短く切り落とさないようにしましょう。
2018年10月16日3:01 PM
風しんについて
風しん流行のニュースを耳にして、心配されているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
★風しんとは★
風しんウィルスによって起こる急性の発疹性感染症で、飛沫感染によりヒトからヒトへと広がります。
★風しんウィルスに感染すると★
2~3週の潜伏期間の後、発熱・発疹・リンパ節(とくに耳の後ろ・頸部・後頭部)の腫れがほぼ同時に出現します。発疹はピンク色の小さな丘疹が全身に出ますが3~5日で消失し、ほとんど色素沈着や落屑はみられません。発熱は軽度ですが、大人がかかると症状が長引いたり関節痛を起こすこともあります。
★治療★
特効薬はありません。解熱鎮痛剤など、つらい症状を和らげるような対症療法が行なわれます。
★感染期間★
発疹出現の前後7日ほどウィルスの排出はありますが、症状の軽快とともに著減します。出席停止期間は「発疹が消失するまで」と、学校保健安全法で定められています。
★予防について★
免疫のない女性が妊娠初期に風しんにかかると、風しんウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風しん症候群 とよばれる先天異常を認めることがあります。
風しんワクチン接種によりおおむね免疫を獲得することができますが、定期接種制度の移り変わりにより、接種機会が1度もなかった世代もあります。過去に風しんにかかったことも予防接種を受けたこともないというかたも多いでしょうが、ご自身が憶えていなくても、母子手帳や保護者様の記憶に残っているかもしれませんので尋ねてみましょう。不明な場合はかかりつけ医にご相談ください。
2018年9月18日12:02 PM
暑さと皮フの病気
記録的で破壊的なこの暑さ、まだまだエアコンなしでは眠れない夜が続きそうです。
風邪や疲れ、不眠やストレスが引き金となって発症する皮膚の病気がありますが、うだるようなこの暑さでも肉体的精神的に弱ってしまうので、同じように病気の引き金となりえます。
この夏、診察に来られる患者様の多い病気についてお話しします。
①帯状疱疹
幼い頃にかかった水ぼうそうのウィルスはずっと神経に潜んでいます。抵抗力が落ちると突然そのウィルスが暴れだします。神経痛や水疱を伴う皮膚症状が特徴的で、年配のかたが発症するイメージですが、最近は若者やお子さまも目立ちます。
神経痛を長引かせないためにも早期治療が必要です。
②単純ヘルペス
いちど感染した単純ヘルペスウィルスは症状が落ち着いても神経に潜み続けます。これを排除する方法はいまのところなく、抵抗力が弱ったときに暴れだし、皮膚や粘膜に水ぶくれを作るといった悪さをします。
③じんましん
突然皮膚にかゆみを伴なう赤いふくらみができ、いつのまにか消えて、さらに別の場所にできてはまた消えるというのを繰り返すのが特徴的な病気です。悪化させる要因は様々ですが、一般的に、睡眠不足や疲労、ストレスなどが多いようです。
いずれも早めに対処することで、症状をこじらせたり長引かせたりせずにすみます。この暑すぎる夏にまいってしまっているかた、お疲れのかた、それ以外でもお肌に関してお悩みのみなさま、ご相談お待ちしています。
2018年8月31日6:18 PM
夏の肌トラブルについて
例年にはない暑さのなか、いかがお過ごしでしょうか。熱中症にはじゅうぶんに気をつけつつ、この季節を楽しくお過ごしいただくために、夏に起こりやすい肌トラブルと対処法についてお話しいたします。
①強い日差しによる日焼け
プールや海に限らず、常に強い日差しが照りつけています。肌の露出をなるべく少なくしたり、日焼け止めはこまめに塗りましょう。(日焼け止めのサンプルをご用意しています)
→日焼けしたお肌は軽くやけどしている状態です。冷たいタオルや保冷剤で冷やし、刺激のない保湿剤を塗っておきましょう。水ぶくれができたり、痛みがある場合は診察をおすすめします。
②汗による皮膚炎
かいた汗をそのままにしておくとそれが原因で湿疹やかぶれ(接触性皮膚炎)が生じたり、アトピーなどを悪化させる恐れがあります。また衣類やアクセサリーが汗で肌に密着しかゆみを誘発します。かいた汗はそのままにせずやさしく拭き取ったり洗い流し、汗でぬれた衣類はすみやかに着替えましょう。
→湿疹をかいたりこすったりすると広がったり、菌がついて感染を起こしたりすることがあります。患部を冷やしたり石けん洗浄で清潔にし、ひどい場合は早めに治療したほうが悪化させずにすみます。
③植物によるかぶれや虫刺され
アウトドアでは様々な虫や植物に触れてしまいます。まずは接触しない工夫として、肌の露出を少なくしたり虫よけなども用意しましょう。
→かぶれたり刺されたりした場合は患部を冷やし、手持ちの塗り薬を使い、かかないようにします。単なる虫刺されでもかきこわして傷になり感染を起こすと蜂窩織炎のような重症にもなりかねません。腫れがひどくなったら早めに受診してください。
④夏の乾燥肌
夏もエアコンや日焼けの影響で肌は乾燥します。しっかり保湿しバリア機能を補うことで肌のトラブルを防ぐことにつながります。肌が弱いと感じているかたは特にしっかり保湿しましょう。
なにかお困りの症状があるかたは、早めの受診をおすすめします。
2018年8月10日9:17 AM足のタコ(胼胝)とウオノメ(鶏眼)について
夏になり素足で過ごすことが多くなると気になるのが足のタコやウオノメではないでしょうか。
どちらも角質が極端に厚くなる皮膚の病気です。同一部位に圧力や摩擦などの刺激を受け続けると、皮膚を守ろうとする防御反応が働き、表面が少しずつ厚く硬くなっていきます。
〜原因〜
☆足に合わない靴や先端が細い靴、硬い底の靴をはき続ける。
☆姿勢や骨格の歪み、歩き方や重心のかけ方の癖などからくる過荷重。
☆高齢や体質による冷え性、足の冷え、血行不良。
☆扁平足、巻き爪、外反母趾、内反小趾(小指が親指側に曲がること)など、足に何らかの変形がある。
〜自分でできる予防策〜
★自分の足の形に合った靴をはく。また、裸足を避け靴下をはく。
★極端に圧迫される靴や底が薄くて硬い靴を避け、柔らかい中敷きや保護パッドなどを使用してみる。
★足浴などで血流をよくし、角質をたまりにくくする。
★日常の歩き方や立ち方などを見直し、重心が偏らないように工夫する。
当院ではできてしまったものを削って除去する治療や角質ケアのための外用薬の処方を行なっていますが、同じ刺激を受け続ければ繰り返してしまいます。普段からご自身で予防を心がけることも大切な治療のひとつです。
今あるタコやウオノメを除去した状態で、ご自身に合った方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
また、足の裏にできるよく似た症状で、尋常性疣贅というウィルス性のイボもあり、こちらは放っておくと増えたり人にうつしたりします。自己判断せず、まずはご相談をお待ちしております。
2018年7月9日4:46 PM