実は怖い低温やけど
冷え性でお悩みのかたには強い味方のカイロや湯たんぽ。手軽に使えて便利ですが、使いかた次第では低温やけどを起こす恐れがあります。
低温やけどは、その名のイメージから軽いものと思われがちです。
熱湯やフライパンのような高温のものですと、あまりの熱さにすぐ身を引くので短い接触時間ですみ、皮膚の損傷は表面のみですむことが多いです。
ところが、カイロのように温度の低いものであっても、長時間同一部位に接触していると、いつのまにか熱によるダメージが深い組織に達し、細胞が壊死するほどの重症になりかねません。
気づいた当初は軽症に見えてしまうのがやっかいなところです。すぐに治ると思い込んで放置してしまい、どんどん悪化していきます。
≪絶対にやってはいけないこと≫
☆適温だからと湯たんぽを入れたまま眠りにつく。
☆カイロを肌着に貼りつけてレジャーに夢中になる。
☆電気ストーブの近くやこたつに入ったまま晩酌、からのうたた寝。
⇒いずれの場合も多少のヒリヒリ感や違和感に気づけず、すみやかに取り除くなどの対処ができません。
低温やけどは放っておいても治りません。治療に長時間かかり、あとが残ってしまうことも多いです。
ならないようにご注意いただき、もしもの際は早めに受診してください。
2017年12月27日2:48 PM
脂漏性皮膚炎とは?
季節の変わり目に増えやすいといわれる脂漏性皮膚炎は、男性に多くみられ、頭や顔などの皮脂分泌の多い部位や、わきの下・ソ径部などのこすれやすい部位に発症しやすい病気です。皮膚が赤くなりかゆみを伴なうこともあります。頭皮には乾燥したうろこ状のフケや湿り気のあるフケがあらわれます。
発症にはマラセチア菌という、皮膚に普通に存在する菌が関わっています。マラセチア菌自体は悪いものではありませんが、皮脂を好むという性質があるため、皮脂の分泌が増えると菌も増殖してしまいます。
成人でこの病気になると、自然治癒は困難で、再発を繰り返してしまいます。そのため根気よく継続的に治療しなければなりません。
治療には、炎症をおさえるステロイドを外用しつつ、症状に合わせて抗真菌薬も併用していきます。さらに、強いかゆみを伴なう場合はかゆみを抑える内服薬を、また不足しているビタミンB2・B6を補う内服薬を使うこともあります。
日常生活のなかで悪化の要因をなるべく取り除けるように、以下の点を気をつけましょう。
☆低刺激のものやこの病気に特化したシャンプーを使用し、毎日洗髪をしましょう。
⇒当院ではシャンプーのサンプルをご用意しています。
☆外用薬以外にも保湿剤を使い、お肌の乾燥を防ぎましょう。
☆かいてはいけません。どうしてもかゆいときは保冷剤などでやさしく冷やしましょう。
☆ストレスや過労も増悪因子です。なるべくゆっくり過ごしましょう。
☆バランスのよい食事を心がけ、脂肪分・糖分、刺激物の過剰摂取は避けましょう。ビタミンB群や食物繊維をとるようにしましょう。
脂漏性皮膚炎は長くおつき合いしていく病気です。早めに皮膚科へのご相談をお勧めいたします。
2017年11月20日2:37 PMお肌のバリア機能と乾燥について
湿気の夏が終わり乾燥の季節が訪れてまいりました。寒い季節の肌トラブルといえば皮脂欠乏症、いわゆる乾燥肌があります。
お肌にはバリア機能というものがあり、皮膚のうるおいが保たれた状態できちんと働きます。ところが、空気の乾燥や紫外線、強くこする・掻くなどの物理的な刺激でダメージを受けるとその機能が低下します。
お肌が乾燥するということは、バリア機能が低下していることになります。そのため、肌の保湿ケアによりバリア機能をサポートしなければなりません。
乾燥したままでいると外部刺激に敏感になり肌トラブルを起こしやすくなります。シミやシワの原因にもなりかねません。また、ウィルスや細菌が侵入しやすくなるのでイボや水イボ、水虫といった病気になるリスクが高まります。
保湿をしておくことで皮膚トラブルを防ぐことができます。お気に入りの市販のボディクリームでもかまいませんし、当院で購入できるおすすめの保湿剤のサンプルもご用意しております。
とにかくお肌にうるおいを与える努力を惜しまず、健康なお肌で過ごしましょう。いつでもご相談ください。
2017年10月27日9:19 AM秋も毛虫皮膚炎にご用心!!
10月になり秋も深まりました。運動会や紅葉狩りにハイキングなど自然に触れ合う秋の行事をまだまだ楽しまれるかたも多いのではないでしょうか。この季節、襟元や足・腕などの露出部にかゆみを発症し、そういえば公園や庭などの植物の近くにいたような・・・と思い当たることはありませんか?
それは「毛虫皮膚炎」の可能性があります。毛に毒が含まれている毛虫にふれることで皮膚にかぶれや発赤・発疹などが起きる病気です。毛虫の季節は春だと考えがちですが、秋にも幼虫が発生し身近な自然に潜んでいます。直接触れなくても、毛虫が毒針毛(毛虫の毒が含まれる毛)を空気中に飛散させ、皮膚や洋服に付着し体がかゆくなります。
また干している洗濯物に毛が付着し、それを着る事で症状を引き起こすこともあります。かゆくてかいたりすると、皮膚に刺さった毒針毛が奥に入ったり、毛が別の部位に付着し、症状が広がることがあります。かゆいと思ったら、早めに皮膚科の受診をおすすめします。
水虫治療は菌をなくすことがゴールです!
過ごしやすい季節になってまいりました。夏に起きた皮膚トラブルも落ちついてくるころでしょうか。
ところで、ジメジメした季節に開始した水虫治療を、すでに症状がないからといってやめてしまっているかたはいらっしゃいませんか?
水虫の薬には強い殺菌作用があります。塗り始めると菌は減り、かゆみや皮むけの症状は治まっていきます。すると、ツラかった症状から解放され、ついつい薬をさぼってしまいがちになります。
しかし、薬によって症状は治まっても、塗るのをやめると菌はまた繁殖し始めます。角質に菌がわずかでも存在しているかぎり、水虫は再発してしまいます。
菌の存在する皮膚が完全になくなるまでは、症状が改善していても薬を塗り続ける必要があります。
医師の指示のもとしっかり治療を継続して、完治を目指しましょう。
イボ!絶対に早期発見・早期治療を!!
皮膚科に来院される患者様のなかで、最も多いと言っても過言ではない病気、それはイボです。
平たくイボと呼ばれるものにはいくつか種類があり、特に、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)というウィルス性のイボは、どこにでも存在するウィルスによるものなので、感染の機会は多くその経路も特定できません。
そのため、いつでもどこでも誰でもイボになる危険があります。手足など、不特定多数のモノやひとに触れる部位にできることがほとんどで、自覚できないような小さな傷などからウィルスが侵入しイボを形成します。
放置するとウィルスは増殖し、イボを増大させ自身のからだでどんどん数を増やします。
とにかく早期発見・早期治療が必要なのです。
「これはなんだ?痛くもないし放っておこう。。。」
これがイボだった場合、治療開始が遅れてしまい、年単位で通院することにもなりかねません。
当院では保険で治療可能な液体窒素を用いた凍結療法を行なっております。迷ったら受診することをおすすめします。
2017年9月8日11:45 AMまだまだ紫外線にはご注意を!!
8月も後半、夏が終わりをむかえようとしていますが、暑い日はまだまだ続きそうです。
夏が終わるとUVケアをやめてしまうかたが多いのではないでしょうか。
真夏の紫外線がいちばん強いのは確かですが、秋の紫外線をあなどってはいけません。
ほんのり涼しくなった行楽シーズンに外出される機会が増えると、たとえ紫外線量が減っているとしても長時間浴びれば皮膚へのダメージは同じです。そのうえ、日焼け止めを塗っていないとなるとさらに大きなダメージとなります。
また、紫外線によるダメージは目に見えませんが、年々確実に蓄積されています。
こうなってくると、UVケアを季節的なものととらえず、日常のもの、通年行なうべきものと考えて、日々のルーティーンに組み入れたほうが後々のためにはよいのかもしれません。
当院では、日焼け止めのサンプルを常時ご用意しております。
いつでもご相談下さい。
夏のレジャーを楽しむために
8月になり、夏休みにアウトドアを楽しむかたも多いと思います。海や山に行かれる予定のあるみなさまに気をつけていただきたいことをお伝えいたします。
山や川のような大自然のなかには、たくさんの植物や虫が生息しています。虫刺されや植物にふれたことによるかぶれに備えましょう。虫よけスプレーの使用や、肌を露出しないようにすることで、ある程度の皮膚トラブルは回避できることがあります。
もし刺されてしまったり、何らかのかぶれや湿疹が起きても、掻かないように注意すれば悪化させずにすみます。
また、海にも皮膚トラブルの原因が潜んでいます。メジャーなものではクラゲに刺されて起こる皮膚炎があります。もし刺されてしまっても、患部を真水で洗ったり、こするなど刺激を与えてはいけません。海水でやさしく洗い流しましょう。また、水中だけでなく、砂浜や浅瀬の石や岩の下などにも様々な生き物がいて、毒をもっていることも少なくありません。むやみに生き物にふれないようにしましょう。
いずれの場合も、皮膚の症状があるときは早めの受診をおすすめいたします。
皮膚トラブルのない、楽しい休暇をお過ごしください。
2017年8月10日2:54 PM
日焼け後のスキンケアについて
夏本場です。日常生活でもレジャーでも、強い日差しを浴びて日焼けする暑い夏の到来です。
日焼けは”日光皮膚炎”と呼ばれ、軽いヤケドのような状態です。正しいお手入れをすることで症状の悪化を防ぐことができます。
①まずはしっかり冷やす。
ヤケドと同様です。冷やすことで炎症をおさえましょう。
☆冷たい濡れタオル・水シャワー・布でくるんだ保冷剤などを使ってください。
②保湿
炎症を起こしている肌は水分を失いかなり乾燥しています。じゅうぶんに冷やしてほてりや赤みが落ち着いたら、化粧水などで保湿しましょう。
このとき、コットンを使用すると摩擦刺激を起こします。ご自身の手でやさしくなじませましょう。
さらにクリームやワセリンなどで、保湿した水分が蒸発しないようフタをするとよいでしょう。
③ご自身で皮をむくのは我慢!!
ポロポロはがれてくる皮膚を無理に引っぱってはがすと、新しい皮膚まで一緒に取れたり、深いところまではがれてバリア機能をさらに壊してしまうことがあります。
お手入れしながら自然に取れてくるものだけを除去するようにしましょう。
また、体内も脱水になりがちです。水分摂取を心がけましょう。(アルコールでは水分補給になりません!!)
日焼けはアフターケアが大切です。じゅうぶんにケアしても、ヒリヒリが強い、水ぶくれができた、とにかく痛い、といった場合は受診をおすすめします。
2017年7月26日5:54 PM夏に多い!粉瘤とは?
本格的な夏に突入し、汗を流す日々を送られているのではないでしょうか?ジメジメの梅雨から夏にかけては体の汗の量も増えます。
そしてこの季節に急増する皮膚疾患が「粉瘤」です。
「粉瘤」とは、良性の皮下腫瘍です。皮膚の下に袋ができ、垢や脂などの老廃物が袋の中にたまっていきます。
また、袋の中の白いあぶらのようなものが独特なにおいを発することもあります。粉瘤は体のどこにでもできます。
見た目はニキビに似ていることもあり、放置してしまうと、どんどん大きくなっていく可能性があります。
しこりが気になり自分で無理につぶしたりすると、袋に細菌が入り込み感染・炎症を起こし痛みを伴うこともあります。
粉瘤の根本的治療となる摘除の手術は当院では行っておりませんが、一時的な対処法として中の膿を出す処置を行なっております。
また必要に応じて他院への紹介を行っています。 ひょっとして粉瘤?と思ったら皮膚科を受診することをおすすめします。